サンクスギビングランチ II(七面鳥編)

ケリアブログ

サンクスギビングに欠かせない食べ物と言えば、七面鳥(ターキー)です。アメリカでは、毎年約46,000,000羽の七面鳥がサンクスギビングの日に消費されるそうです。そして、そのうちの選ばれた2羽(雄と雌)が「大統領による恩赦(The presidential pardon)」を与えられて命を救われるのが毎年ニュースになります。この恩赦は正式なもとのしては歴史が浅く、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領の頃から慣習化しましたが、もとは19世紀にリンカーン大統領の息子がクリスマスに調理されようとした七面鳥を助けるよう懇願したことが元祖と言われています。

日本では、七面鳥は普通のスーパーなどでは手に入りません。通販を利用するか、輸入食料を扱っているお店で予約して購入することになります。流通している七面鳥はすべて冷凍もので、ガチガチに凍っています。大きさにもよりますが、冷蔵庫なら3日以上、室温でも冬場だと2日ほどかけて解凍することになります。

サイズは鶏肉よりかなり大きく、大きめのものを注文すると日本のオーブンレンジに入らない可能性もあります。アメリカではオーブンはキッチンに備え付けであるのが普通で、日本のレンジの何倍も容量が大きいのです。今回は用意したのは6〜8パウンド(3キロ前後)のもの、アメリカで食べるものと比べるとかなり小さめですが、23ℓサイズのオーブンレンジでちょうど良いくらいでした。

さて、七面鳥を解凍している間に、詰め物(スタッフィング)のためのパンを準備します。スタッフィングの主な材料はパンですが、肉汁をもれなく吸いとる重要な役割があるので、まずは乾かします。古いパン、特につい置きっぱなしにして硬くなってしまったバゲットなどあれば最高ですが、普通の食パンでもちょっと工夫してカチカチにしましょう。

一斤の半分くらい(6枚切りなら3枚)をサイコロ状にきり、天板に並べて、160度のオーブンで約40分加熱します。いい感じにカチカチに乾いたら出来上がり。

七面鳥の解凍が終了したら、開封して中身をあらためます。ほとんどの場合、お腹の中に七面鳥の首の骨と内臓(特に砂肝)が入っています。骨は、小鍋に浸るくらいの湯で弱火でじっくり2時間ほど煮込み、スープをとります。内臓は首の骨と一緒に煮てスープにする人もいれば、きざんでスタッフィングに混ぜる人も、あるいは全く別に料理に使う人もいます。今回はスープにして、グレイビーとスタッフィングに使います。

さて、七面鳥ですが、解凍がすんだら水道水で中も外もよく洗い、キッチンペーパーで水気をとっておきます。

玉ねぎ中1個とニンニク2片、セロリ1/2本、ローズマリー、タイムなどのスパイス少量をきざみ、塩コショウとオリーブオイル、前述の首の骨のスープ100ml、溶き卵1個をボウルでよく混ぜます。最後にカチカチにしておいたパンと軽く混ぜ合わせ、七面鳥のお腹にぎゅうぎゅうに詰めて行きます。最後に竹串などで詰め物が漏れないようざっくりと綴じます。

オーブンで焼く時間は、「華氏350度で1ポンドにつき15分」と言われます(もしスタッフィングを詰めずに焼く場合は1ポンドにつき13分)。華氏350度は摂氏で約180度、1ポンドは約450gです。しかし、オーブンによって火の回り方はかなり違います。そこで頼りになるのが「ポップアップ機能」。最近の市販の七面鳥には必ず赤いボタンのようなものがついていて、これがぽんと飛び出すと中まで火が通って食べごろになったということです。

こんがりと焼き色がついたところで、赤いボタンが飛び出しました。

もう一つのサンクスギビングに欠かせないアイテム、とうもろこしはそのまま蒸したりゆでたりして供されることが多いのですが、ゆかりの木のメンバーには少しハードルが高いので、牛乳を加えて温めるだけのインスタントのスープで用意しました。

今回のサンクスギビングランチを並べてみると、こんな感じ。

クランベリー動画に続いて、ゆかりの木サンクスギビングの様子は以下のYouTube動画でご覧になれます。

気分はすっかりアメリカンのサンクスギビングでした。障がい者でなくても簡単に海外に行くことのできない昨今、少しでも旅行気分を味わうために、みなさんも「行事食の完コピ」挑戦してみてはいかがでしょうか。材料を用意するのが少し大変ですが、ほとんどのものは通販で4,5日以内に揃いました。ネットで食材を探すときに、その由来や食べ方などの知識も得ることができます。すべてひっくるめてカルチャーイベントとして楽しめたらと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました